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水那岐さんの人気コメント: 更新順(25/83)

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★2ラスト・ブラッド(2009/香港=仏=日=アルゼンチン)クリムゾン・レッドに肌を染めるチョン・ジヒョンの凄惨な美しさは認めざるを得ないが、原作映画で描写されなかった背後のエピソードのチャチさ、オニどもの死の人工的無味無臭さに辟易する。護るべき少女の魅力が皆無なのも辛いところ。小雪の鬼気迫る風情が救いか。わっこ, セント[投票(2)]
★5カムイ外伝(2009/日)山崎努の力と諦念を持ち合わせたナレーション、そして岩代太郎の品格ある音楽。カムイが恨みを燃え立たせ、そしてそれを爆発させるに至る展開はベタでも、これはかつて日本にもあった「虐げられた者の時代劇」の見事な復活であり、これを支持せずしてコミック映画化にもはや明日はない。 [review]ペパーミント, chokobo, 甘崎庵, 死ぬまでシネマほか7 名[投票(7)]
★3キャタピラー(2010/日)軍国主義日本の夫婦と言う役割。日中戦争という侵略戦の位置づけ。それらを「これが戦争だ」という惹句で大きくワールドワイドに広げることの欺瞞は、バカがつくほどの正直なクリエイターである若松孝二の心中では認識され得ないのだろうか。 [review]tkcrows, DSCH, 緑雨, ペペロンチーノほか6 名[投票(6)]
★5アレクサンドリア(2009/スペイン)無意味に自虐する必要はないが、かといって反省なき団体(国家、政党、宗教その他諸々)ほど醜悪なものはない。アレハンドロ・アメナーバルは自分の属する団体の罪を暴く作品を、『海を飛ぶ夢』に続いて創りあげた。しかしそれは無責任な他人事の糾弾では決してない。 [review]水の都 ヴェネツィア, 赤い戦車, けにろん[投票(3)]
★4待ち伏せ(1970/日)確かに稲垣作品としてはご都合主義の固まりのような映画だが、今観れば夢のようなスター総出演。用心棒三船としては対・座頭市勝新戦の遺恨試合といったところか。スタッフも命がけで挑んでおり、冒頭の山田一夫のカメラはこれから起こるイヴェントを予感させるスケールの大きさ。tredair, ゑぎ[投票(2)]
★3地獄門(1953/日)華やかなイーストマン・カラーに彩られた、美貌の人妻と彼女に横恋慕するウルトラ非人情男の理不尽なドラマ。まったく、この美しい画面さえなければ長谷川一夫は獄門晒し首モノである。ゆーこ and One thing, yasuyon[投票(2)]
★3RENT レント(2005/米)連帯の時代だった20世紀中期を越え、ベトナム戦争の傷跡は癒えたものの、個人の幸福のみを追うに至った世紀末に製作されたこのミュージカルは、例えば『ヘアー』なども持つ貧しくもそれを乗り越えるパワーは持ち合わせない。だが本作の中には、瞠目させられる珠玉のことばがある。 [review]トシ, tkcrows, MM[投票(3)]
★4キューポラのある街(1962/日)吉永小百合が時代から必要とされ、それに応え絶対的な光芒を放つかのように、彼女が「あの時代」を体現した映画。日本にこんな少女は二度と育たない!! [review]けにろん, りかちゅ, ぽんしゅう[投票(3)]
★3ジュリー&ジュリア(2009/米)料理を会得してゆき、評価される人間としての嬉しさより、むしろ食べる側の人間を満足させる喜びにこそ踏み込んでいって欲しかった。メリル・ストリープという逸材を単なる物真似のできる大女として扱ったのは不見識も甚だしい。料理とは人間の生き甲斐にすら言及してゆける主題と知って欲しかったものだ。女優たちは好演しているが、心に響かない。 [review]わっこ, 牛乳瓶[投票(2)]
★4フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966/日)「怪物」から「怪獣」へのキーワードの移行。それが「殺獣」への免罪符になる。(04年5月23日再見) [review]ペンクロフ, 新町 華終, kiona, 甘崎庵[投票(4)]
★4星の旅人たち(2010/米=スペイン)巡礼という古典的な人々のふれあい手段をとって、縁もゆかりもない老若男女が集い、自我をさらけ出しドン引きされた上で、再び友情を確かめ合う過程。ここでフラッシュを焚かれるのは決して聖人君子でない厄介者揃いだが、むしろそれゆえに、露悪の末にお互いに確認する仲間意識は確かであり、暖かみを感じさせられるものだ。 [review]セント[投票(1)]
★3装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ 劇場版(2008/日)映画館に30〜40代の中年男性を集わせる、究極の親父アニメ『装甲騎兵ボトムズ』を二十余年愛し続けた俺ゆえに、敢えて甘い点数をつけるが、本来このエピソードからTV本編へ話を繋げるのには無理がある事実は否めない。ラストの1カットでは誤魔化されないぞ。 [review]ハム, 小紫[投票(2)]
★2監督・ばんざい!(2007/日)この映画のキャラクターはかつてのコメディアン・ビートたけしの分身ばかりだ。その中で、ギャグに臆病になってしまったたけしだけが、分身の人形に身を守ってもらって震えている。 [review]きわ, SUM, ナム太郎, 甘崎庵ほか7 名[投票(7)]
★4鴛鴦歌合戦(1939/日)「贅沢は敵」のご時勢に、町娘たちのいずれの姫君かとまごうばかりの無駄な着飾りぶりが可愛らしい。お春も佳いが、恋敵おとみ(服部富子)の笑顔と愉しげな歌いぷりは現代にも通用する宝物だ。志村喬のとぼけた味もなかなかに得がたい。法螺や太鼓がペットやドラムスに化けるセンスも、暗い時代のレッテルを見事に剥がしてくれる。3819695, ゑぎ[投票(2)]
★5メランコリア(2011/デンマーク=スウェーデン=仏=独)なんと醜悪にして美麗なフィルムの残影か。精神に軋みを生じ、すくってもすくっても浮かび上がる人間の醜さが、『トリスタンとイゾルデ』のメロディに乗って周囲の世界をも呑み込んでゆく。醜さとは人間の弱さであり、それが他者に向け牙を剥いたとき最も恐ろしい存在へと昇華する。冒頭のスチルのようなコラージュ・アニメを味わうだけでも映画的感興を充分に呼び覚まされるし、ラストには鳥肌が全身を走り抜けた。 [review]chokobo, MSRkb, けにろん, セント[投票(4)]
★4チェチェンへ アレクサンドラの旅(2007/露=仏)口の端に上らせることによって、限りなく陳腐になってしまうメッセージというものがある。ソクーロフはそれを知っているために、敢えて登場人物に言い切りたい全ての台詞を言い終わらせなかった。これはむしろ彼らの表情によるプロテストであり、上からの視座を排して真っ向からその視線に向き直るカメラも、ここにおいては絶対的に正しい。セント[投票(1)]
★3ファウスト(2011/露)鈍色の市街を一望する冒頭をはじめ、大方のガジェットが旧世紀的な古拙趣味に浸るかのよう。ハンス・ベルメールめいた少女の局部への偏執、高利貸しの「尻尾」造形はゲーテより退歩し、即物的フェティシズムに貶められてはいないか。自分には原作陵辱としか見えず、好意的には受け入れられない。揺るがぬソクーロフ美学は見事であっても。けにろん[投票(1)]
★3バロン(1988/英=独)奇想天外な妄想を大金を投じて描くギリアムの心意気は買うが、暗澹たる悪夢のイメージを具現化したのではない分、冗長な子供だまし劇に出来上がっている感は否めない。ギリアムの本領は、『ブラジル』のようなビター風味の大人向け作品にあると感じる。 [review]ぽんしゅう, けにろん, わっこ, モモ★ラッチほか6 名[投票(6)]
★5デンデラ(2011/日)天願監督の父、今村監督の『楢山節考』続編ではない。底知れぬ生命欲に満ちた汚濁に塗れる老婆たちの闘争の軌跡である。全力を振り絞りバトルに身を投じる女優たちの熱演は、真正の美しさに満ち満ちている。 [review]わっこ, DSCH[投票(2)]
★1めぐりあう時間たち(2002/米)狂気の連鎖、自殺願望の継承、「強固な女性」の系譜…きわめて陳腐な言葉を並べてみるとそんなところだろうか。だが、それらをトリッキーに構成して三人の女を見せてもらったところで、自分の食指は動かず仕舞いだった。 [review]disjunctive, chokobo, ノビ, ハムほか7 名[投票(7)]