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★5 | 秋津温泉(1962/日) | 女が変転していく様とそれを冷厳に捉えるカメラの眼差しに心揺さぶられずにはいられない。これは成瀬『浮雲』と双璧の寂寥。さらに全編に亘って極めて美しい、しかし冷たいスペクタキュラーな画が溢れており『浮雲』よりも私の好み。ラストの俯瞰ぎみの横移動も凄いが津山の散歩シーンの桜が見える縦構図なんかも本当に素晴らしい。 | けにろん, 動物園のクマ, ペペロンチーノ, づんほか6 名 | [投票(6)] |
★4 | ドノバン珊瑚礁(1962/米) | この映画もとてつもなくハッピーな映画だ。涙無くして見られない映画だが、それはこの余りにも幸福な美しい画面に涙しているのである。 [review] | YO--CHAN, 3819695 | [投票(2)] |
★2 | 最強のふたり(2011/仏) | 本作の障害者観やノーマライゼーションといった事柄に気付かされる面白さ、あるいは、価値の転倒に目を開かされる、といったことを否定するつもりはないが、それは、「映画」とはまた別の事柄だ。全体にハラハラ感に乏しい。なんか全部、ゆるーく予定調和する。 [review] | 3819695, jollyjoker, 緑雨 | [投票(3)] |
★4 | ヘイトフル・エイト(2015/米) | 圧倒的な雪の西部劇。雪の質量はコルブッチの『殺しが静かにやって来る』を目指したものだろう。それは冒頭の、超遠景から始まる馬車の"待ちポジション"でも明らかだ。本作も、走る駅馬車の撮り方は俯瞰ショットも並走ショットもちょっと今まで他で見たことのない画面だし、或いは馬の扱い、馬車を御する技術への言及が心憎い。 [review] | ロープブレーク, ペンクロフ, 緑雨, 狸の尻尾ほか7 名 | [投票(7)] |
★4 | 虎の尾を踏む男達(1945/日) | エノケンは矢っ張り凄いが大河内伝次郎の演技にも笑ってしまった。この二人が完全に浮いている。しかしこれがスターの演技だ。森雅之や志村喬や藤田進が抑制の効いた演技をすればする程この二人のスター性が際立ってくる。オールセットの時代劇。殆どパンニング一本やりで見せきっている。黒澤は大したもんだ。 | けにろん, Myrath, 3819695, づんほか10 名 | [投票(10)] |
★4 | ローリング・サンダー(1977/米) | 傑作。ポール・シュレイダーのやや教条主義的な脚本をジョン・フリンとジョーダン・クローネンウェスが力漲る画面で強烈に緊張感を維持する。主人公ウィリアム・ディベインの内向的な情念の表出が忘れ難い。ラストでトミー・リー・ジョーンズが加わって暴力が爆発する展開は東映任侠映画好きのシュレイダーらしい。 | たろ, 袋のうさぎ, disjunctive, ぽんしゅう | [投票(4)] |
★3 | 沈黙 -サイレンス-(2016/米) | もとより、マーティン・スコセッシは華麗なテクニックの持ち主だが、本作で見せる才気には一部違和感を覚える。特に、私にはパンニングの品の無さが目に付く。それは、題材に対する技巧の選択の整合という意味での違和感なのだ。 [review] | 週一本, けにろん | [投票(2)] |
★3 | サンセット大通り(1950/米) | 結局、圧倒的にグロリア・スワンソンの面白さに尽きる。まあオーバーアクトに過ぎるのだが、半分はワザと奇矯に演じており、当時としての時代錯誤の感覚がいまだに現代の観客を面白がらせる。実は、スワンソンの奇矯さ以外には見どころが薄い。 [review] | ぽんしゅう, けにろん | [投票(2)] |
★5 | ウエスタン(1969/米=伊) | 短い。短すぎる。それは、カルディナーレとフォンダの関係を補完するシーンが必ずあるだろう、ということもあるが、私は「もうこの映画が終わらなければいい」と感じる。「ずっとジェーソン・ロバーズを見ていたい」と思う。
[review] | けにろん, ペンクロフ, 緑雨, もっこすほか5 名 | [投票(5)] |
★4 | ハートに火をつけて(1990/米) | 冒頭の目撃シーンの移動撮影なんかも見事だが、この映画が本当に良くなるのは、映画の中盤から。デニス・ホッパーがジョディ・フォスターに手錠をかけた瞬間から「映画」が始まる。メチャクチャいい加減なストーリ展開だが、画面は真に「映画」だ。 | 赤い戦車 | [投票(1)] |
★3 | 特捜部Q キジ殺し(2014/デンマーク) | 暗視カメラで撮った、女性の恐慌をきたしたリアクションで始まるオープニングはかなり期待させるものだったが、前作に比べると事件の背景、ステークホルダー等がスケールアップした分、映画全体として、タイトなまとまりを欠いた感がある。 [review] | jollyjoker | [投票(1)] |
★3 | アルキメデスの大戦(2019/日) | 戦艦建造費の見積額の誤謬を証明する、というなんとも気が滅入るような、みみっちい、貧素な、こじんまりとしたお話を、よくこゝまで娯楽作として盛り上げたと思うが、その分、主人公・菅田将暉をはじめとして、舘ひろし、國村隼、橋爪功、小林克也ら軍人達は、戯画化され過ぎているきらいがある。 [review] | jollyjoker, けにろん | [投票(2)] |
★3 | 誰もがそれを知っている(2018/スペイン=仏=伊) | よく見せる画面も多いし、プロットとしても周到に緊張を維持するが、どうも中途半端な部分が気になる。例えば、冒頭の時計台・鐘楼の内部の描写。時計の文字盤部分が割れて、穴が開いている。その穴に向かって、外に出られない鳩がバタバタする。これなんかも、いきなり、メタファーとしてはありきたりじゃないかと思ってしまう。 [review] | 3819695, けにろん | [投票(2)] |
★4 | 蜂の巣の子供たち(1948/日) | ロッセリーニも、デ・シーカも日本ではまだ公開されていない時期に清水宏はこれを作っていたのだ。このような映画を作ったことは、ワールドレベルで偉業だろう。
[review] | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★3 | 蜘蛛の街(1950/日) | 設定はいい加減なのだが、しかし画はよく撮られている。男の子が団地の階段を上がるカットがクレーン撮影、なんてところも、まさかこゝでクレーンが出てくるとは思ってもみないので吃驚してしまう。 [review] | tredair | [投票(1)] |
★3 | 僕はイエス様が嫌い(2019/日) | 前半チャド・マレーンが無意味に出過ぎ。だから後半の不在が際立つ、という効果にも繋がっていない。と云いながら、大阪人としては(お笑い好きとしては、と云うべきか)、チャドの映りが小っちゃ過ぎて可哀そうにも思う。
[review] | 3819695, けにろん | [投票(2)] |
★4 | グリード(1925/米) | 何はともあれ最強の画面の映画だということは繰り返し語るべきだろう。雨の表現、灼熱の表現、猫と小鳥の暗喩等々この過剰な演出こそ映画の演出だ。 [review] | ぽんしゅう, 寒山拾得, 動物園のクマ, りかちゅ | [投票(4)] |
★5 | 幽霊と未亡人(1947/米) | ジョセフ・L・マンキウィッツ畢竟の傑作。。物語の大部分は海辺の斜面に立つ屋敷が舞台で、まずこの屋敷のロケーションが実に映画的なのだ。特に室内シーンの窓を背にしたカットで悉く窓の向こうの打ち寄せる白波が示される画作りなんて惚れ惚れする。また、この映画は「肖像画の映画」として銘記すべきだ。 [review] | ぽんしゅう, 寒山拾得, 動物園のクマ, ジェリーほか5 名 | [投票(5)] |
★5 | 五本の指(1952/米) | なんと面白い!本作も絶好調のジョセフ・L・マンキーウィッツだ。アンカラ。晩餐会。ドイツ大使パーペンがダニエル・ダリューに話しかける場面から始まる。こゝの緩やかなカメラの前進移動で、既にうっとりする。また、このシーケンスの英国大使との入れ替わりの様子にクスリとさせられる。
[review] | ぽんしゅう | [投票(1)] |
★4 | スリー・ビルボード(2017/米=英) | ラストもいい。このラストでポイントを上げる。このカットで終わればいいな、と思っているカットで終わる。
[review] | DSCH, 死ぬまでシネマ, なつめ, yasuyonほか9 名 | [投票(9)] |