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「四方田犬彦が選ぶ、「世界映画史の113本」」(バーボンボンバー)の映画ファンのコメント

裁かるるジャンヌ(1928/仏) 赤ちゃん教育(1938/米) 赤い靴(1948/英) 剣(1964/日) 砂漠の流れ者(1970/米) 五人の斥候兵(1938/日) 東海道四谷怪談(1959/日) ノスタルジア(1983/伊) 極私的エロス・恋歌1974(1974/日) ショック集団(1963/米) 赤西蠣太(1936/日) カスパー・ハウザーの謎(1974/独) 子供たちの王様(1987/中国) 博奕打ち 総長賭博(1968/日) 桑の葉(1985/韓国) 毒薬と老嬢(1944/米) 理由なき反抗(1955/米) 書を捨てよ町へ出よう(1971/日) ニノチカ(1939/米) 神の道化師、フランチェスコ(1950/伊) 無法松の一生(1943/日) めし(1951/日) 八月の濡れた砂(1971/日) 東京流れ者(1966/日) 彌次喜多道中記(1938/日) 巴里祭(1933/仏) いとこ同志(1959/仏) 幕末太陽傳(1957/日) 豚と軍艦(1961/日) キューポラのある街(1962/日) 秋津温泉(1962/日) 少女ムシェット(1967/仏) ゲームの規則(1939/仏) 絞死刑(1968/日) 勝手にしやがれ(1959/仏) 自転車泥棒(1948/伊) ラ・パロマ(1974/スイス) キートンの大列車追跡(1926/米) 市民ケーン(1941/米) メトロポリス(1927/独) 羅生門(1950/日) 陽炎座(1981/日) 美女と野獣(1946/仏) 吸血鬼(1932/独=仏) ジャンヌ・ダルク裁判(1961/仏) 青い山脈・続青い山脈(1949/日) アレクサンドル・ネフスキー(1938/露) 鞍馬天狗(1942/日) 女はそれを待っている(1958/スウェーデン) ポンヌフの恋人(1991/仏) ラストタンゴ・イン・パリ(1972/伊=仏) 裏窓(1954/米) カサブランカ(1942/米) めまい(1958/米) サイコ(1960/米) 道(1954/伊) モダン・タイムス(1936/米) ローズマリーの赤ちゃん(1968/米) 赤い砂漠(1964/仏=伊) 大人は判ってくれない(1959/仏) チャップリンの 独裁者(1940/米) お熱いのがお好き(1959/米) 戦艦ポチョムキン(1925/露) ライムライト(1952/米) 月はどっちに出ている(1993/日) 櫻の園(1990/日) わが谷は緑なりき(1941/米) マルタの鷹(1941/米) 燃えよドラゴン(1973/米=香港) エル・スール −南−(1983/スペイン=仏) 大人の見る絵本 生れてはみたけれど(1932/日) 近松物語(1954/日) 気狂いピエロ(1965/仏) 8 1/2(1963/伊) 旅芸人の記録(1975/ギリシャ) 大地のうた(1955/インド) 駅馬車(1939/米) M(1931/独) 童年往事・時の流れ(1986/台湾) 昼顔(1966/仏) 姿三四郎(1943/日) 七人の侍(1954/日) 秋刀魚の味(1962/日) 瀧の白糸(1933/日) 雨月物語(1953/日) 日本の夜と霧(1960/日) 我輩はカモである(1933/米) 婦系図(総集編)(1942/日) オーソン・ウェルズの フォルスタッフ(1966/スペイン=スイス=仏) 黄金の馬車(1953/仏=伊) 嵐の孤児(1921/米) 丹下左膳餘話 百萬両の壷(1935/日) 侠女(1971/香港) 刺青(1966/日) ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984/独=米) キートンのマイホーム(1920/米) 白人酋長(1922/米) 濡れた欲情 特出し21人(1974/日) 昇天峠(1951/メキシコ) 瞼の母(1962/日) 不知火檢校(1960/日) エノケンの法界坊(1938/日) 鶴八鶴次郎(1938/日) ウンベルト・D(1952/伊) 馬(1941/日) ホワイト・ドッグ(1982/米) キノ・プラウダ(1925/露) 最後の人(1924/独) アゲイン AGAIN(1984/日) 水俣病 その30年(1987/日) 不良番長 送り狼(1969/日) キートンの北極無宿(1922/米)が好きな人ファンを表示する

寒山拾得のコメント************

★5裁かるるジャンヌ(1928/仏)黙して頭を垂れる「仕草」こそ本作の感銘を表現するに相応しい。安易な顔アップを映画が忌み嫌うのは本作への敬愛を欠いているからだと思う。[投票(1)]
★2剣(1964/日)女々しい恨み節がドライな映像で語られると何とも侘しい気分になる。正座の辛さは描き切れず様式美に逃げているが、合宿先の光景のカット繋ぎにはさすがの躍動感がある。こんなものに付き合わされて気の毒な三隅。 [review][投票(2)]
★4砂漠の流れ者(1970/米)コンボイ』と並ぶペキンパーのヒッピーもので、「破滅の美学」のその先を描いてさらにいい。伝記映画『情熱と美学』で監督は本作を自身の最高傑作と語っていた。 [review][投票(1)]
★1五人の斥候兵(1938/日)今に続く保守派が大好きな本邦戦争映画のプロトタイプであり、風呂屋のペンキ画のような忠孝の物語が臆面もなく展開される。ヴェニスから届いた宣伝大臣賞は本作がプロパガンダであるとはしなくも暴露しており滑稽。 [review][投票]
★5ノスタルジア(1983/伊)坂道を斜めに駆けおりる犬を追いかけて棒っ切れを投げる少女。屋根の上にゆっくり現れるあれは太陽なのか月なのか。これら描写の美しさは国籍を超えて我々の心を鷲掴みにする。映画においては、1+1=1は成就している。 [review][投票(1)]
★4極私的エロス・恋歌1974(1974/日)何でもしてやろう精神の天晴な武田美由紀の癇性や饒舌から原一男の代表作二作が連想される訳で、この私映画をその後方法論的に昇華させたのが伝わってくる、これも天晴だ。 [review][投票(1)]
★3ショック集団(1963/米)「狂人」をネタにしまくったひと昔前らしい映画で、筒井康隆など影響を受けたのだろう。本作を愉しむには近親に精神病者がいないことが条件となろう。脱臼したような映像はデヴィッド・リンチを準備したに違いなく、そちら方面では価値高いのだろう。 [review][投票]
★3赤西蠣太(1936/日)按摩のアンコウの件は面白いが、総じてよくあるユーモア映画の失敗作のように移り気で散漫、千恵蔵の造形も魅力が薄い。洒脱なハリウッド文法輸入の歴史的価値を除けば、いま読んでも新しい原作と比較にならない。志賀直哉は喜んだらしいが。[投票(1)]
★2博奕打ち 総長賭博(1968/日)これが現代の会社の話なら、誰も見向きもしないだろう。 [review][投票(1)]
★4桑の葉(1985/韓国)藤村志保似のイ・ミスクを中心としたポルノコメディで、設定は今村好みでギャグは鈴木則文。呑気な農村の描写は天国のようだ。 [review][投票(2)]
★5毒薬と老嬢(1944/米)スピード感溢れ、断片が折り重なり、筒井康隆の目指したブラックユーモアの理想郷が出現する。ピーター・ローレの向こうをはって目ん玉見開くクラーク・ゲーブルの面構えが脳裏に貼りついて離れない。兄さんのラッパの件は現代では放送禁止だろう。[投票]
★4書を捨てよ町へ出よう(1971/日)いろんなコラージュは土着を身に纏うのに不思議と引き摺る根っこはなく身軽で、現代に至るまで本邦にこれを超えるものはないように思う。東京キッドブラザーズだけはどうしようもなくトロ臭いが、今となってはこれも味。 [review][投票(2)]
★3ニノチカ(1939/米)30年代に国家社会主義のパロディを敢行する先見の明は尊重されねばならないが、これに対峙させるのがブルジョア的享楽ではなんとも。ルビッチ的方法の限界の感あり。 [review][投票]
★4無法松の一生(1943/日)松が一度だけ泣いたという回想の後、ぼんぼんが松に向ける共感の眼差しが、何とも云えぬほどいい。共感は美しい。[投票(3)]
★5巴里祭(1933/仏)4Kで拝むアナベラの麗しさよ。眼福眼福。 [review][投票(2)]
★3いとこ同志(1959/仏)天井突き破るストーブの煙突はジャン・クロード・ブリアリの男性自身の隠喩に見えて爆笑してしまう。70年代の日本の青春映画に随分と影響を与えた物語なのだろう。磨り減り感は致し方ない。[投票]
★5幕末太陽傳(1957/日)このフランキーの昏さ、いつご陽気さを失うか判らぬ喜劇俳優の危うさ。 [review][投票(2)]
★4豚と軍艦(1961/日)横須賀対川崎の地政学。三島雅夫は本当に豚に似ている。素敵な人選。 [review][投票]
★4ゲームの規則(1939/仏)規則と対面でもって異性=領土を譲り合う(あるいはヒステリックに拳銃をぶっ放す)愚か者たちが、徹底したファルスでもって語られる「戦争映画」 [review][投票]
★3キートンの大列車追跡(1926/米)ドタバタというよりもアクション映画。汽車の車軸を結ぶ横棒に腰掛けて上下運動に身を任す件、恋人に難題を吹っ掛けられた悩ましい心情を画面に定着させて秀逸。キートンの彼女の名前はなぜアナベル・リーなのだろう。[投票]
★4羅生門(1950/日)静的なお白州と動的な森の中の対比でたっぷり一本撮った感が好ましい。ただ比べて羅生門は意外と地味。二階も覗かせてほしかった。 [review][投票(4)]
★3陽炎座(1981/日)ツィゴイネルワイゼン』のように恐怖譚を地道に綴るでもなく、『カポネ』のように冗談で弾けるでもなく中途半端で、漫然と繋げた没フィルムの束を観せられたような印象。実際それが狙いではないのだろうか。 [review][投票(2)]
★5ジャンヌ・ダルク裁判(1961/仏)ジャンヌが退出する場面を丁寧に繰り返すこのリズム。余りにも緩慢で息が長く超然としている。このような律動を観客ははじめて体験し、これこそが「神」の領域であると知らされる。 [review][投票(2)]
★4青い山脈・続青い山脈(1949/日)山とある石坂洋次郎映画のなかでもやはり本作は一頭地抜けている。池辺が月眺めて、原始人の感覚が甦る、これを許してはいけないと語り合う件がとても印象的。性欲を理性的にコントロールし続ける石坂的青春群像の根本思想なのだろう。 [review][投票]
★5道(1954/伊)描かれる荒地の数々に求心力がこもっている。 [review][投票(2)]
★4ローズマリーの赤ちゃん(1968/米)いいんだがこの映画、誉められ過ぎ。黒魔術の薀蓄や的確な心理描写に富んだ無茶苦茶面白い原作のダイジェスト版に過ぎず、ミア・ファローを主演に置いた慧眼と、電話ボックスの件の巧みさ以外に、小説を超えるところがない。[投票]
★2月はどっちに出ている(1993/日)主演は格好つけ過ぎだし、有薗芳記ら助演のフォロー不足は無神経、途中で止める長回し他思いつきのような撮影も酷い。面白い断片は全部原作のお蔭だろう。[投票]
★5櫻の園(1990/日)一線を嘘のように超えてしまうエロスな空気感が剣呑、共犯関係は夢の向こうに至る。例えば革命とはこんな場所から始まるのではないだろうか。職員室など敵方を描写しないのが巧みで閉鎖的な空間は濃密に自転し続ける。懐に隠した「暴動起こそうよ」。 [review][投票(1)]
★4エル・スール −南−(1983/スペイン=仏)年齢に応じて父の謎は異なるのだが、これに応じてショットを変化させるのが凄い。 [review][投票(1)]
★5大人の見る絵本 生れてはみたけれど(1932/日)教室の掛け軸は「爆弾三勇士」 [review][投票(2)]
★4近松物語(1954/日)山腹から逃げる長谷川追う香川の驚異的なショットだけで満腹なのだが、他のミゾグチの傑作にはこんな長回しが一作に十もあったのを思えば、淡泊な印象は免れないだろう。 [review][投票(1)]
★5気狂いピエロ(1965/仏)フラーに唆されて映画を生きるピエロ。繰り返されるクラシックの断片とクタールのキャメラでトランス状態にさせられる。 [review][投票(3)]
★58 1/2(1963/伊)湯治治療に行き、愛人を抱き、回想とハーレムで二度ワイン風呂につかり、最後も素っ裸になる映画。この秀逸な入れ子構造の時間差の感覚は二度と再現不能だろう。 [review][投票(1)]
★4大地のうた(1955/インド)ヒンドゥー教の輪廻転生を美しく肯定しているように見えてしまうのがどうにも鬱陶しいのだが、それがための映画的強度は認めざるを得ない。 [review][投票(2)]
★3姿三四郎(1943/日)クロサワ戦後の傑作群はこの無垢の歌に対する経験の歌であったように思われる。 [review][投票(1)]
★4七人の侍(1954/日)全くもって湯水のような予算の蕩尽。本作の成功は、金がないと映画は撮れないというその後のクロサワの不幸の予告編のようでもある。 [review][投票(2)]
★2秋刀魚の味(1962/日)自己模倣の縮小再生産。酒呑んでいるシーンが2時間中1時間はあるのではないか。 [review][投票]
★4瀧の白糸(1933/日)ミゾグチのサイレント期の代表作と呼ぶに相応しい神業の如き構図の連発。収束の脱落が実に残念。 [review][投票(1)]
★5日本の夜と霧(1960/日)このような論争劇で一編創るリアリティを持ち得た作品は、日本映画空前、おそらく絶後だろう。今でも論争の映画を撮り続けるゴダールだって、影響を受けたはずだ。[投票]
★5婦系図(総集編)(1942/日)何んて瑞々しいフィルムなんだ。緑波の捻じ込み辺りから後はもう痺れっぱなし。マキノも三浦光雄も五十鈴も箆棒に凄い。対抗馬はもう『残菊物語』しか思い浮かばない。ロシアに行ったら完全版が観れるの? [review][投票]
★4黄金の馬車(1953/仏=伊)素晴らしく流麗。奥行きを重視したスタンダードサイズの完璧な活用。御噺は宝塚程度、年増女優がモテモテになるという仏映画の悪い癖は我慢すべし。 [review][投票]
★5嵐の孤児(1921/米)ドロシーとのコケティッシュなかけ合い、傘で憲兵に立ち向かう健気さ、全身で訴える正義、涙、キス、キス、キス。嗚呼、リリアン!!! [review][投票]
★5ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984/独=米)「ハンガリー語はよせ」 [review][投票(3)]
★5キートンのマイホーム(1920/米)まるで新婚の多幸感が一連の災難を具現化させたかのようで、しかも二人はこれらを愉しんでいるかのようだ。一緒に尻餅ついたりして。[投票(1)]
★4白人酋長(1922/米)昆虫採集からキスシーンまで、クールなキートンが格好いい。アニメ合成なのか、追っかけシーンで何度か空を飛ぶが、見事にきまっていて痛快。帽子を弓で射抜かれるシーンを、黒澤は『蜘蛛巣城』でいただいたに違いない。 [review][投票(1)]
★3濡れた欲情 特出し21人(1974/日)思いっ切り散漫にやろうという狙いは好ましいが決まらない。アングラ劇のパフォーマンスほか、ギャグが余り面白くないのがどうにもいけない。W主演が豪華。[投票]
★3瞼の母(1962/日)ローアングルの長回しは傑出しているが、動的な場面でのバストショット連発は力入れ過ぎで空回り気味。山場における錦之助の泣きながら開けた大口がとても印象に残る(含他作のラストのネタバレ)。 [review][投票(1)]
★3鶴八鶴次郎(1938/日)喰えなくてやめる程度の芸道ならやめてしまえ、という凡々たる感想しか湧かない。 [review][投票]
★5ウンベルト・D(1952/伊)お爺さんと飼犬の顔がどんどん似てくるのが絶妙、映画はこんな処まで演出するものなのだろうか。なべて独り者の老後はこんなもの。私も犬でも飼うか。 [review][投票(3)]
★5最後の人(1924/独)映画史でも早いもの勝ちということがある。ラストの混乱は期待の地平を逸脱して抜群にカフカ的であり、以降この手法は本作の二番煎じと呼ばれるだろう。お仕着せ着たエミール・ヤニングスは明らかに「変身」の父親だ。[投票]
★2不良番長 送り狼(1969/日)退屈至極。こういう作品をも愉しめる柔軟な感性の持ち主になりたいものだが自分には死ぬまで無理だと諦めた。[投票]
★2キートンの北極無宿(1922/米)序盤、浮気した妻とその相手を撃ち殺したあと「これは私の家でも妻でもなかった」というインタータイトルに呆然とさせられる。やり過ぎ。[投票]